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アジアの行く末を左右する「強大な国」

ウオールストリート・ジャーナル
【オピニオン】アジアの行く末を左右する強大な国
2013年 1月 03日 16:02 JST 更新
By RICHARD FONTAINE, DAN TWINING

 復活したアジアの国がタカ派のナショナリストを権力の頂点に据えた。近隣諸国との領有権争いは世界的に重要な貿易航路に近い海域での軍事衝突のリスクを高めている。同国が偉大だったころの記憶は、地域の覇権争いに加わるんだという政府高官たち決意の源になっている。同国の再浮上により、アジアの地政学的地図は塗り替えられることになるかもしれない。

 いや、中国のことではない。世界を驚かし、この地域を大きく変えようとしているのは日本である。多くの人がその影響力を見限る原因にもなった経済的衰退からの逆転を果たせればの話だが。

◇◇◇首相就任後の安倍氏(2012年12月26日)

 昨年12月26日に総理大臣に就任した安倍晋三氏が、これまでの首相とは比較できないほどの難題に直面していることは事実である。日本の人口は世界最速で高齢化しており、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の影響は今も色濃く残っている。政治は行き詰ってばかりで、自信にあふれた中国からの増大しつつある挑戦にもさらされている。

 米国人の中には中国をアジアの未来、日本はアジアの過去と見なし、変貌を遂げた世界では日本との同盟は時代錯誤、あるいは厄介なものとさえ考える向きもある。しかし、日本を単なる友好国と軽視するのは誤りである。米国にとって日本は今もアジアにおける最も強固な同盟国であり、世界の勢力バランスにおいても重要な役割を果たすだけの世界屈指の能力を備えている。

 日本政府は、アジア地域の勢力図を塗り替え得る新たな戦略的関係を築こうと特異な発想で取り組んできた。国家意識をめぐる議論の高まりにより、アジアにおいて平和主義的だった同国の態度はより断固としたものへと変化していくだろう。

 驚くかもしれないが、日本の回復力の根底にあるのは経済だ。日本は最初のアジアの虎であり、その数十年にわたる成長は今日の中国のペースに匹敵した。国内総生産(GDP)で中国が日本を追い越せたのは、13億の国民の生産力を活用したからだが、人口がその10分の1以下の日本が同水準の生産力を示したことも忘れてはならない。多くの経済的問題を抱えているのは確かだが、日本は将来の成長の原動力となり得る卓越した技術を保持し続けてもいるのだ。

 日本政府はそうした経済力を外交活動に反映させてきた。世界有数の対外援助国である日本は、イラクの復興支援のために約4350億円を、アフガニスタンにも米国に次ぐ支援額となる約6100億円の拠出を約束している。数十年に及ぶ軍事政権下で放置され、ずたずたになっていたミャンマーのインフラや人材の再建においても主導的役割を果たしている。また東アジアの安全保障の要である5万人近い駐留米軍には基地と巨額の受入国支援を提供している。

 日本は自国の軍事力も増強してきた。あまり知られていないが、同国には幅広い作戦任務で米国軍と緊密に連携できるほど高度な技術を持った軍隊がある。日本の軍事支出は世界第6位で、その海軍の能力は米国の同盟国の中で最も高く、高度なミサイル防衛技術も持っている。また軍事能力の質も高く、いくつかの分野では中国軍をしのいでいる。


 積年の自制的態度を改めた日本は、その軍事力の行使をますます拡大している。この10年間に日本は、アフガン戦争支援を目的としたインド洋における艦船への給油活動、イラクへの自衛隊派遣、津波の被害を受けたインドネシアの復旧活動への参加、ネパールへの停戦監視要員の派遣、インド・オーストラリア・韓国・米国の海軍との合同演習、国連ハイチ安定化ミッションへの参加、ソマリア沖海賊対処のための艦船派遣などを実施してきた。

 日本は国内の軍需産業への足かせとなっていた武器輸出に関する規制も緩和し、東南アジアの軍事能力強化を拡大させた。日本政府はオーストラリアやインドと軍事協定を結び、米国政府・インド政府とは三カ国間戦略的パートナーシップを形成した。

 こうした動きは、日本の政治の水面下で巻き起こっている将来の安全保障の原則に関する国内の激しい論争を反映している。そのきっかけとなったのは中国の急激な台頭と、近隣諸国への強硬な戦術である。安倍氏の総理就任と日本維新の会のような国家主義的な新組織の勢いは、中国の挑戦に直面している米国のリーダーシップにも広範に影響を与えかねない日本の政治情勢の右傾化を反映したものである。

 アジアへの戦略的リバランスに着手した米国政府にはできるだけ多くの友好国が必要となるが、日本ほど信頼できる同盟国など他にない。米国の成功は、経済を軌道に乗せ、戦略的な外交政策を練り上げ、政治の行き詰まりに収拾をつけるという日本の新政権の決意に密接に関係してくるだろう。1945年以前のアジアでは問題視されていた日本の強大な国力だが、21世紀ではそれが解決策の一部にもなり得るのである。

[リチャード・フォンテーン氏は米シンクタンク、新米国安全保障センター(CNAS)の所長。ダニエル・トワイニング氏は米シンクタンク、ジャーマン・マーシャル・ファンドのアジア担当上席研究員]

記事元:
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324828304578218642884252794.html

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ウオールストリート・ジャーナル
【オピニオン】緊迫の度合い増す日中関係 軍事衝突回避に向け今なすべきこと
2013年 1月 07日 16:49 JST
By STEPHANIE KLEINE-AHLBRANDT

 東シナ海における世界第2位と第3位の経済大国間の領有権争いは先月、軍が初めて直接関与するという不穏で新たな段階に突入した。昨年の12月13日、日本は尖閣諸島(中国名:釣魚島)上空を飛行する中国の小型プロペラ機を追跡するために、航空自衛隊のF15戦闘機8機を緊急発進させた。日本政府によると、これは1958年以来初の中国による領空侵犯だった。

 この一群の小島をめぐる対立の根は相当深い。偶発的な衝突や事態の深刻化のリスクを回避するためには、危機緩和のメカニズムを早急に復旧させ、日中政府間のコミュニケーションを密にする必要がある。日本の我慢の限界を探り続ける中国の行為は、日米安全保障条約にも影響を及ぼしかねない危険なゲームだ。

:::::尖閣諸島防衛計画 sot12073107010003-p1

 中国は日本の実効支配への挑戦として、問題の海域のパトロールを強化している。日本がこの一群の小島と岩礁を最初に併合したのは1895年だった。第2次世界大戦後は一時米国の支配下に置かれたが、1971年の沖縄返還協定で日本に戻っている。その数年前に周辺に海底油層がある可能性が浮上したため、尖閣諸島の価値はより高まった。尖閣諸島に関しては台湾も領有権を主張しているが、台湾と日本は概して友好的な関係を保ってきた。その一方で日本は台湾を独立国家として認めていない。

 昨年9月、日本政府が尖閣諸島の3島を民間の地権者から購入すると発表したことがきっかけとなり、日中間の領有権問題が再燃した。日本政府が尖閣諸島の国有化に踏み切った主な理由は、大胆なナショナリスト、石原慎太郎前東京都知事が発表していた都による購入計画を阻止するためだった。

 中国政府はこうした一連の「コンビネーションパンチ」を受けて、経済報復を示唆したり、海軍・空軍・戦略ミサイル部隊の合同演習を実施したり、10月に東京で開催された国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会への参加を拒否するなどした。それと同時に中国各地では、2005年以来で最大規模となる暴力的な反日運動も勃発した。

 尖閣諸島をめぐる中国側の最も重大な一手は、40年に及ぶ日本の実効支配を終わらせようとするものだった。中国政府は独自に設定した領海基線を発表し、問題の海域に国家海洋局所属の海洋監視船を派遣した。この新たな戦略は、領有権問題を棚上げにし、天然資源に関しては日本との共同開発を目指すとした鄧小平(1978-1992年の中国共産党の最高指導者)政権下の政策から著しく逸脱している。

 こうした根本的な意見の相違を棚上げにするという鄧小平氏の決断は、この領有権問題の解決がいかに難しいかを物語っている。中国ではこの問題が、日本の侵略戦争と関連づけられているため、過去の敵意が蘇り、中国の国家主義に火がつくのである。また、中国共産党はその正当性を強固にするために過去の侵略や国家主義を昔から利用してきたので、統治権をめぐる交渉はどれもきわめて複雑なものになってしまうのだ。

 この新たな緊張の激化の背景には、東アジアにおける経済力・勢力のバランスの変化がある。自国の上昇基調に対し、日本が下降基調にあると見た中国は、領有権争いで強気に出るときだと感じている。国際法では、そこを占拠していたり、主権を行使するための措置を講じている国が有利となる。そうした措置には国連への申請、島の命名、海図の作成、法執行機関によるパトロール、そして最終的にはそこでの建造物の建設や居住などが含まれる。中国は、尖閣諸島が日本の実効支配下にあったこの数十年間、そうした機会を逸してきたと感じているのだ

 日本による国有化の発表以来、中国政府は自国の立場を強めるための法的・軍事的措置を取ってきた。より強大な海洋国家になることを明らかに標榜している中国は、南シナ海でも同じような手段に出ることで領有権の主張を強化している。

 この問題に関しては、日本にも中国にも確かな法的根拠がない。日本の主張は、1895年に同諸島を併合したとき、人が住んでいたり他国が支配していたりした形跡がなかったという断定を軸とする「先占の原則」に基づいている。一方で中国は、その島が明王朝時代(1368-1644年)に発見、命名、利用され、1895年には清王朝の統治下にあったが、日清戦争中に日本に編入されたということを示す歴史的・法的証拠があると主張する。したがって尖閣諸島は、日本による中国の領土権の放棄を約束した第2次世界大戦後の和平条約に基づいて返還されなければならないというのが中国政府の言い分である。

 この地域の平和維持は日中両国が見解の相違にうまく折り合いをつけられるかにかかっている。相互信頼を築き、具体的な利益を得る実際的な方策としては、領有権を破棄するのではなく、ひとまず棚上げにし、東シナ海の共同資源管理で協力していくのがいいだろう。2008年、日中両政府はそうした合意形成に近づいたが、結果的に国内のナショナリストたちの反対に屈してしまった。

 緊張が急激に高まる以前、海上衝突の危険性に気付いていた両国政府は、双方の防衛・法執行機関同士でコミュニケーションが取れるシステムの構築に真剣に取り組んでいた。ところが感情が理性に勝り、こうした話し合いは頓挫してしまった。

 軍事衝突はどちらの利益にもならないということは日中両国が明言しており、これは朗報と言える。それでも平和を維持するためには、誤射事故を避けたり、事故が小競り合いに発展するのを防ぐための早急な協力が必要である。ナショナリストたちの怒りを鎮めるのに必要な措置も含めると、共同資源管理の交渉には長い時間がかかるだろう。しかし、両国が真剣に軍事衝突の回避を望んでいるのなら、妥協点はまだ見つかるはずだ。東シナ海での緊張を和らげるチャンスを得た日中両国の新しい指導者は、これを生かすべきである。

(筆者のステファニー・クライネ・アールブラント氏は独立系シンクタンク、国際危機グループの中国・北東アジア担当責任者)


記事元:
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324890804578226853678098048.html?mod=WSJ_article_MoreIn_%26%2312458%3B%26%2312500%3B%26%2312491%3B%26%2312458%3B%26%2312531%3B


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